Ryoji Suzuki Memo

前回の続き｜つまり『フィルター』ということは、その意識があろうとなかろうと、多かれ少なかれ誰の視点においてもその者の『フィルター』を通したやり取り、ということが、実際の会話にしろ、接触ににしろ、起きているわけなのだ、私はそう思っている。そうでないと、そのやり取りとは、横流しオンリーの無責任きわまりないものになるだろうし、そういう意味では『フィルター』をかけない、ということを意識する以上、それは対話などの通常のやり取りとは違って、「伝達」や「ことづて」という、自分を介しながらもきわめて機械的な伝達手法のひとつとしての交わりであって、それらは職務や業務では大切なことだが、そうであるのならば、第三者から第三者へ伝えるのに、そのような場面で自己の『フィルター』を通すなら、それは意図的な改ざんにも等しく、その場合の『フィルター』と、私がここに持ち込んだ自身における『フィルター』とは意味を異にする。ここではそれこそが強調したい前置きである。

つづく｜フィルター【その④】

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