Ryoji Suzuki Memo

前回の続き｜『フィルター』にしても「色目がね」にしても、それらの表現が対人との会話にもし登場するなら、どちらもあまりよい意味では用いられないはずだ。「色目がね」に関しては、まったくといってよいほどよい意味で用いられないはずなので、ここではその表現は除外しよう。そうして、今回表題に私が選んだ言葉は『フィルター』である。この『フィルター』という表現の持つイメージには「ものを挿んだ」というような意味合いを連想させることなど、ダイレクトな感覚から遠のくゆえに、あまりよいイメージにはなれずとも、それなりの自己意識が「とあることに反映されている」という意味では、そこに該当する個人の気持ちが含まれた上での表現、とも受け取れることもあり、あながち悪者にならない印象があるのだろう。

つづく｜フィルター【その③】

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