孤独
人は独りでは生きてはいけない、と言う。でも、もし本当に独りだったとして、生きられないのだろうか。私は「本当に独りだった」という経験がない。独りになりたくて、何日間か冬の山に独りで居たことはある。でもそれがたった数日であっても山を下りる頃は人懐かしくなっていたものだった。そしてある頃から何かを悟ったらしく「独りでありたい」とは思わなくなった。また、今はいろんな情報があるので「独り」ということがどういうことか、など、どんな角度から定義しても大概は中途半端な状況や環境の異なりなどを比較して「~より幾分か、は独りっぽい」というくらいなことでしかないんだ、とも考えるようになったのだろう。もし人が「本当の孤独」を感じているのならそれはとってもつらいことだと思う。独りになろうとして中々独りになれるものではない。回りにいくら人がいても「独り」としか感じられない、ということこそ「独り」なんだと思う。でももしそうであっても自分の存在はあるし、自分の身体はある、自分を見つめる自分だってあるし、自分の心だってある。本当の自分に嘘がなく、本当の自分を認め、いつでも本当の自分を感じているのなら、たとえ回りに人が誰もいなくても、「独り」ではないことが感じられるようになるのかな、と、今日はそんなことを思ってみたり、考えてみたりもした。
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