楽譜との別れ
アマチュアバンドではロックを、クラブでは主にはフォークソングでの弾き語りを、そんな高校生活で益々音楽に傾倒した私は弾き語りでの作曲方法を身に付けた。その時点で楽譜はほとんど用をなさなくなったのである。そのような私でも地域のバンドコンテストでは毎年(3年間)賞を受賞できたし、弾こうとするポピュラーミュージックやロックサウンドのギターは楽譜にするまでもなく覚えて弾けるまで弾くことで用が足りてしまった。高校卒業後はそのまま音楽学校へ入学、音楽学校ではジャズプレイヤー科を志望したが、それと同時にバンド活動に専念した私は学校で学ぶよりライブハウスなどでの現場での活動を優先した。音楽学校の授業中にはっきりと感じたこと、それは「これらノウハウは必要な時に自分で勉強することだ」ということだった。その頃学校での授業の科目の一部では、コンピュータによる、楽譜や楽音の制作演習も始まっており、とにかく時代がこれまでの常識を覆すような全く新しい方向へ向かっていることだけは肌で感じ取っていた。私の解釈では「紙と鉛筆、ペンと五線譜の時代はもう終わるんだ」というふうに。
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