Ryoji Suzuki Memo

１０６急行バス


盛岡から宮古を結ぶ国道１０６号沿いを走るＪＲ山田線は３１１の震災以降まだ完全に復旧していない。台風１０号の被害もあり国道１０６号は現在もところどころ崩壊、復旧工事の最中であった。１１月３０日、絵画の寄贈を終え田老海岸を視察、その足で宮古へ直行し、宮古駅で根岸先生と別れた私は、宮古駅のバスターミナルから盛岡と宮古を結ぶ岩手県北バスの『１０６急行バス』に乗車した。宮古駅１１時５分発の『１０６急行バス』は国道１０６号を走り１３時２０分には盛岡駅に到着する予定。途中、道の駅「やまびこ産直館」では５分の小休止がある。またその行程はおよそ１００ｋｍで所要２時間以上はかかる。大宮から盛岡までの東北新幹線の乗車時間はおよそ１時間５０分だから、それよりも盛岡～宮古間のバス乗車時間のほうが長くなる。その日バスの乗客は６～７割程度、私は後方の座席でのんびり車窓から景色を眺めながら誰に気兼ねすることなく移動の時間を過ごすことができた。宮古からおよそ１時間半、区界（くざかい）を過ぎたあたりからちらちらと岩手山が見えてきただろうか、最後の峠を越えバスは益々平野部に近づいてゆく中、雪をいただく岩手山が、その特徴的な山容がとても気になる、岩手山の姿にしばし目を奪われる私であった。


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