Ryoji Suzuki Memo

前回の続き｜さて、その『イメージ』。ここでは視覚的にさえとらえられるような表現や世界観を思考の世界に持ち込むわけだが、そこに独自の手法や見え方、独自の変換や特徴的な選り分けが起きているようだ、と、自分の思考の状況を想像する。自分が「心の中に描いている風景」とは、何かこう、現実を模写したようなものであったり、想像での未来像や、数分先、数日先の予言めいたことではないし、また過去の出来事を元にした、その出来事や見た目での景色の延長に帰依するものではない。視覚的な表現を試みるならば、もっともっと、漠然としていて、無限空間をバックに色分けされたカラーボールの飛び交う光景や、スケルトンな多角的図形がその形状の自動変化を伴いながら混合しまた分離運動をするような空間であったり、照合にのみ反応するような光源、色彩スイッチの起動や、感情にのみリンクするような幾何学的な図形の瞬間移動、その合致、その回転、時間の流れとのかかわりにおいて反応するような妙なダブリング的、はたまた突発的な挙動を起こすものであったり、と、いくら表現しようとしても支離滅裂な表現ばかりだ。

つづく｜イメージ【その③】

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