Ryoji Suzuki Memo

続き｜そうして背筋を伸ばしたときに、それより前の自分を省みて、単に「ああ、あまり姿勢がよくなかったんだな」と、気づくわけである。で、実際の発声練習のときに「声がでない」「息が続かない」といったときに、一度大きく息を吸い込むことで、必然、それかある意味強制的に背筋が伸びることから、その後に「声が出易くなった」「息の長さをコントロールできるようになった」と感じるわけで、毎日そうして発声練習をしてても、時々にはその姿勢の自覚状態すら忘れてしまうことから、「普段の生活の中で、自分の『呼吸』に着目することは大切」と、こうして言いたくなるわけだ。つまり「発声練習」に限らず、普段の生活のなにやらかにやらでなんとなく沈うつな気持ちのするときに、「自分の『呼吸』に着目する」することで、案外「すっと」そのような状態から抜け出ることもある、そういう気がすること、それに「姿勢」というからだの基本的な要素に直接作用するとも言える『呼吸』には、そのようなからだや健康上の大切なことの多くの基盤を持つように思うのは私だけではないだろうな、そう思えるし、それよりもなによりも「気分」や「気持ち」「感情」にもっとも簡単に作用するところが『呼吸』にある唯一身近な特徴なのではないだろうか。

おわり｜呼吸【その①】

---