自分にとって感じている「暗闇」や、その感じから「抜けられない」ありさま、苦しい感じ、出口が見えない感じ、物事がうまく進まない感じ、それらのことを「『トンネル』から抜けられない」または「出口がみえない」と、私の前で初めて表現したのは私の先輩であった。私は当時それを聞いて「なるほど」と思った。私はその先輩に連れられ、当時良く山岳ドライブの道案内をした。私は地図に詳しく、自転車を広範囲に亘り乗り回していたために、山間部での車が通れるか否かの車道の様子を良く知っていたのだ。そこで必然登場するのは『トンネル』であって、その車道の至る地形が険しいほどそこに突然現れる『トンネル』は、長さ、規模にかかわらず大変にもの寂しい空間であり、それでも出口が先に幽かにでも見えるならば、緊張しながらも希望をもってその先に向かう。そんな経験を実際の体験で何度となく共にした先輩であったから、「『トンネル』から抜けられない」の一言は私によく伝わったし、また先輩自身も「伝わったかも」という感じを受けたのではないだろか。
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