人は誰でも。その人の人生の中で自分が『主人公』だろう。自分が思う自分自身、というより。自ら体験することで、思い悩み、走り歩き躓き倒れ立ち止まりまた起き上がり、見るもの聞くもの、心動かし泣き笑い出会い恋して争い別れ眠り目覚め働き遊び熱中しぼんやりし、後悔し希望を持ち夢見慣れ親しみ、憧れ学び叱り叱られ教え教わり・・・と、生きている限りそれらを永遠に繰り返しながらそれでも新しい毎日をその人生の終えるまでどうにかこうにか生きてゆく。その人が『主人公』である物語は本当はその当人以外には語れない。その人が『主人公』であるその人の人生には誰もが決して立ち入れない。その人の楽しみ苦しみ、辛さ、嬉しさこそその人の表情に見ることはできても、その人が本当に感じているものはその当人にしかわからない。人はどうあっても孤独な『主人公』なのだろう。
『主人公』のない物語でも書こうかな|次回
創作の連載
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