炊事をするのに、その毎回に充実した準備を欠かさず行えるわけではないから、炊飯や味噌汁はさておいても「おかず」に相当する調理を『仕込み』の段階で多めにストックすることがある。中でもカレーやシチューは具材を仕込んでおき、市販のインスタントのルーを食する直前に加えるだけで出来立てと変わらない味に、もしくはより深みのある味わいに仕上げることだって出来る。さてその『仕込み』。時々に順序は変わるが、ジャガイモや人参を煮込む際に、肉を軽く塩胡椒で炒め、その炒め油、肉汁を加え煮込むだけで旨みは増すし、それらを煮込んでいる間にローストオニオンをじっくりと調理、あめ色のローストオニオンが出来上がり次第鍋に加えてさらに煮込めば『仕込み』段階のものは完成だ。ローストオニオンの具合が味の決め手になるし、ローストオニオンをペースト状にまで調理する時間があるなら、カレーに深みのある甘さを加えるのには「蜂蜜」を使用する他にはそれ以上の手間はない。クリームシチューならローストオニオンそのものに色がなるべくつかないように弱火でじっくりと、カレーならローストオニオンの焦がし程度で香味、仕上がりの色に変化が加えられる。どちらともつかない程度に仕上げるなら、カレー、シチューとも食べる直前の気分次第でどちらにもすることができる。ただし仕上げる前の食材はいたみやすいので、この冬場以外の季節は即要冷蔵だ。
炊きたてご飯にカレー
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