Ryoji Suzuki Memo

前回に続き。その日の「演出」の『失敗』において多くのリスクが生じる。幸いその『失敗』を指摘してくれる外部の方がいたからそこはまだ良い。その『失敗』に至る、提案、手法、道具、対応、段取り、進行、順序、ケース、改善点、準備点、不足点、その様々はいくらでもあるがここではあえて書かない。取り返せない問題だけをここにフォーカスしておく。何人かの方から頂戴した言葉を踏まえ、その内容を要約して私がここに記す。お客さまが感じてしまうことの中に「演奏者が怒っているようにみえる」「何が起きているのかよくわからない」「演奏しないことを間接的であってもお客さんに責任転嫁する」このような可能性があるような演出を展開したとして、それを受け取る方のとらえ方の大小はあれどそう感じたお客さまにとって、そのときそこで「何か失ったもの」があるとしたら、それを事後に取り返すことはほぼ不可能だ。諸々の原因とその演出考案に至るそうせざるを得ない流れ、それに想定不足、実力過信も加わり、その結果を導きだしているほぼ全てを今なら見通せる自分が、事前に何らかのフォローをするか、また現場フォローを確立するか、現場である程度の結果を見通せ、流れを導くとか、それが出来ないなら、「演出」についての自己責任のとれない提案を、私自ら選択してはいけない。当日楽しめなかった全てのお客さまへ。「誠に申し訳御座いませんでした」。

おわり｜失敗【第１回】

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