Ryoji Suzuki Memo

『本末転倒』とは。辞書でみると「主客転倒」などとある。本筋を取り違えたり、まったく逆な結果や、滑稽なくらい筋違いな流れを呼び起こしたりしてもその表現は良く似合う。皮肉であったり、愚弄する、バカにしたりすることも伴なうかもしれない。自分のしたことに、またはしていることに自ら『本末転倒』と表現するなら、ある程度反省の意味にもなるかもしれない。この『本末転倒』、私は自分のことでよくそう表現すること、それかそんな気持ちになることが少なくない。相手の立場に立とうとするか、それか実際立ったつもりになり、自分の感覚を重ねているうちに、いつしか、本当に自分のことになってしまう。大概は心の内のことなのだけれど、「辛い」や「悲しい」など、もし相手がそのような表現をしている際、それを受取っている側が「辛い」「悲しい」を表現するなら、それこそ『本末転倒』ではないだろうか。喜びをわかちあう、とか、辛さをわかちあう、とか、と、いっしょくたに成り易い感情、そこに『本末転倒』という意味が潜んでいることに、自分の入り込み易い感情の危うさの一面、習癖に気付きそうな今日の私。

七転八倒ではないよ

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