Ryoji Suzuki Memo

自分の気持ちが全く分かっていないような自分。それでも、自分の気持ちとは何なのかを一瞬でも垣間見ると、目まぐるしくどんどん変化し続けている！それが自分の気持ちなんだなぁ、と。これこそ常に知ろうとしないと一向に捕まえられない。逆を言えば、自分の気持ち、自分で分からなくし続けていたり。

自分の状態の確認とは。自分の状態に気づくようになってくると、自分の状態に気づかないことが案外たくさんあることに気づくようになってくる。『気づく』というのは一瞬のことばかりなので、普段の自分の何かの状態から一呼吸おいて『今自分は自分の状態に気づいていたか、否か』の確認も練習になる。

『自分の状態に気づく』ってなんでしょう。何かをしている時に『急いでいる』とか『焦っている』とか。誰かと話している時に『自分は答えを出そうとしている』とか『楽しいと感じている』とか。日頃のある瞬間『寒いと感じている』とか。目の前の本に触れ『自分は今、本を読もうとしているなぁ』とか。

何の練習でしょうか。自分の状態に気づく練習です。自分の状態を確認する練習です。自分の気持ちを知る練習です。実践とは、日常のあらゆる出来事の中で、自分の状態を観察し続けることと、そのときの自分の気持ちを知る練習を、常時続けることになります。それらが自分にとっては大切なことなのです。

なので『○○のつもり』にならないことが肝要だよね。自分の思い込みや慣習に常に意識を向け、自分の状態を確認するようにしたいもの。で、これは理屈です。こう言う通りになれるようになるには、意識を向けるとか、自覚をするとか、考えているだけではなく、日常で実践と練習を続けるしかありません。

何がどう厄介かというと、自分が意識を向けている筈のことが『音が聴こえているつもり』『楽器を練習しているつもり』『音楽を教えていることが出来ているつもり』『上達に向けて日々精進しているつもり』と、全部『つもり』になっているのに気づかないというとんでもない『無自覚』オンパレードに。

聞こえないようにしていながら、本当に聞こえなくなっていることに気づかない。もしくは、聞こえているつもりで、実は聞こえていない。これは自分にとっては大問題でした。意識や自覚は大切だけど、気づいていないことには『無自覚』がついてくるし、『つもり』のことを『意識している』とはならない。